
真夜中に携帯が鳴る。
大学病院から!
電話にでると担当の先生。
お母さんの容態が急変したとの事!
移植手術が終わってからICUで毎日色々なデータをとり続けていて、
これまですべて安定していたのだが、急変したのだ。
急いで病院へ向かう。
真夜中の道を思いっきりとばす。
日中は4・50分かかる道のりを30分弱で到着。
ICUに入ると担当の先生が色々と処置をしていてくれて、だいぶ落ち着いたようだ。
良かった!
感染症の一種だったかな?
これまで移植した肝臓も順調に機能していたのに
急に機能低下したと言うような内容だったと思う。
ひとまずは乗り越えた。
今は安定を取り戻している。
免疫抑制剤を使用している為どうしても感染症は避けて通れないらしい。
それを一つづつ乗り越えて良くなっていかんとな!
頑張ろうな!お母さん!
身体に負担がかかるため今は眠らせているとの事。
先生にしっかりとお礼をする。
本当に良い先生で、絶大な信頼を寄せている。
多分先生はあまり寝てないだろうし、自宅にも帰ってないと思う。
またよろしくお願いしますと伝えて病院を出る。
翌日夕方、面会へ行ったが、この時も眠らせていた。
眠らせていると言っても、声は聞こえているかも知れないらしいので、
しっかりと元気づけて帰る。
それから3日後ぐらいだったか、再び夜中に病院から電話!
今度は前回より深刻な状態だという。
大急ぎで病院へ行く。
お母さん!頑張れ!お母さん!頑張れ!
病院へ向かう車の中で何度も繰り返す。
ポリに捕まろうがそんなこと知ったことじゃない!
猛スピードで病院へ向かった。
ICUへ入ると息子もいた。
その時にはちょっと落ち着いていて山は越えたらしい。
先生が、お母さんの心拍が低下し心臓が止まりそうになったので
急いで息子を病室まで呼びに行き、私に電話くれたという。
非常に危険な状態だった。
色々処置してくれて、今は落ち着いているが
重度の感染症のよう。
油断はならない。
息子がお母さんに話しかけているが、聞こえているかな?
息子は術後、自分も腹を切っていて動けないのでお母さんに会えていない。
話も出来ていない。
お母さんは眠っている。
頑張ろうで!お母さん!
まだ安心はできないが、とりあえず今度も乗り越えた。
ICUを出て息子と話す。
息子もだいぶ動けるようになっているので、
お母さんの様子をしっかり見に行くように頼んで帰宅。
もちろん私も毎日夕方には病院へ面会に行った。
それから数日後、息子から、”先生から話がある”と連絡が入る。
会社を早退して病院へ。
先生の話では、やはり感染症がひどくて
病院内にあるすべての抗生剤が効かない菌に感染していると言われる。
もちろん最大限の処置は行うと言って下さったが。
菌なんかに負けたらおえん!
頑張ろうで!お母さん!
まだまだこれからなんじゃから!
絶対今回も乗り越える!
絶対よくなる!
そう信じていた。