
2015年6月30日
いよいよお母さんの生体肝移植手術が行われます。
朝早く岡大病院へ。
まず息子に会いに行く。
よろしく頼むと少し会話してICU(集中治療室)へ。
お母さんは昨夜からICUへ入っている。
肝性脳症の影響でわけのわからない事を言うことが多かったが、
この日は穏やかだった。
いよいよじゃな!がんばろうな!
ちょっと怖いなとは言っていたが、
しっかり応援しとるからな!しっかり祈っとるから!
と声をかけると、
頼まあよぉ~(頼むね)
と、答えてくれた。
だぶん看護師さんも落ち着かせてくれていたのだと思います。
とても穏やかで、笑顔で会話できた。
嬉しかった。
なんか安心した。
間違いなく成功するだろうと感じた。
いよいよ手術室へ。
まず息子が先に入る。
記憶が曖昧になっているが、朝8時頃だったと思う。
息子は病室から手術室へ入ったので見届けることは出来なかったが、
大丈夫だろう。
それから30分後、お母さんが手術室へ。
お姉さんも姪達も、みんな来てくれた。
三重県から一番上の姉も来てくれた。
(お母さんは3姉妹の末っ子です)
ICUからストレッチャーでお母さんが出てきた。
麻酔の先生の紹介などしてもらう。
麻酔の先生、担当の先生、看護師さん達によろしくお願いしますと挨拶し、
お母さんにみんなで声をかける。
なにやら慌しく感じた。
少し声かけした程度で、足早に手術室に入っていった。
長い緊張の時間が訪れる。
大手術であることは間違いない。
しかし私は絶対成功すると信じて疑わなかった。
岡山大学病院は中四国でも有数の設備が整った大病院。
生体肝移植の実績もトップレベルです。
岡大病院が行った生体肝移植の術後1年の生存率は約80パーセント。
絶対成功する!そう確信していた。
私はこの頃、禁煙を考えていたのだが、
この状況では煙草を吸わずにいられない。
どれだけ吸っただろう?
今でも超ヘビースモーカーです。
長い沈黙が破られる。
16時頃だったと思う。
息子の肝臓摘出手術が終わったようだ。
手術室から出てきた息子に会えた。
みんなでお疲れ様と声をかける。
息子は軽く頷いていた。
もう全身麻酔は解けていたようだ。
お母さんの手術はまだ終わらない。
再び、長い沈黙が続いた。
21時が過ぎた頃、治験コーディネーターの方がやってきた。
手術着を着ていたので手術に立ち会っていたのだろう。
予め用意するように言われていた物をわたす。
もうすぐ終わるようだ。
22時をまわっていたと記憶している。
お母さんの手術が終わった。
いつ手術室から出て来たのかわからなかった。
手術は成功。
ICUにもう入っているらしい。
大勢でICUに入れないということなので
ふた手にわかれる。
ようやくお母さんに会えた。
まだ麻酔は効いているようだ。
ベットで眠っているお母さんはいっぱい管をつけられていて、
顔も少しむくんでいるようだった。
手術は成功したが、あの姿を見たらなんだか複雑だった。
とても痛々しくて、かわいそうで。涙が出た。
みんなも泣いていた。
お疲れ様!よう頑張ったな!
それだけ声をかけてICUを後にする。
14時間くらいの大手術だった。
その後、それぞれ帰路につき、
私は一人病院の家族控え室に泊まった。